生後5ヶ月ごろから離乳食が始まり、完了食、幼児食へと進んでいきます。離乳食は初期・中期・後期と赤ちゃんのペースに合わせながら進めていきますが、食材をすりつぶしたり刻んだり手間がかかりますよね。

私は現在、下の子に離乳食を与えていますが、毎日手作りするのは大変です。ベビーフードなども取り入れながら、赤ちゃんにも食事の楽しさを知ってもらおうとなんとか頑張っています。
子どもにお米を研がせてみる、調理を手伝ってもらう、畑で野菜を収穫させる、生き物に感謝して食事をいただくなど、「食育」というとこれらのことを想像される方が多いのではないでしょうか。毎日家族がそろって「いただきます」「ごちそうさま」とあいさつをするだけでも十分に食育だといえます。日頃から意識的に取り組んでいるわけでなく、当たり前に子どもに食育をしている方も多いかもしれません。
ただ、0歳児の赤ちゃんに対してはどうでしょうか?自分で何かできる年齢ではないので、料理を手伝ってもらったり、野菜の収穫をさせることはできませんよね。でも離乳食もはじまったことだし、食事は健康な体づくりにも大切なことなので、しっかり食育したい!という方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、二児の母として子どもへの食育を大切にしている私が、そもそも「食育」とはどんなことなのか、0歳児にもできる食育についてご紹介したいと思います。
そもそも「食育」ってどんなこと?


農林水産省では、「食育」を以下のように定義しています。
“食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるもの。”
農林水産相HP https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/network/about/index.html
つまり食育は、知育・徳育・体育の土台となるものともいえます。
また、政府広報オンラインでは、以下のように書かれています。ママやパパが笑顔で赤ちゃんに離乳食を食べさせたり、旬の食材を取り入れた離乳食をつくってあげることが、子どもの食育へとつながります。
“健康的な食のあり方を考えるとともに、だれかと一緒に食事や料理をしたり、食べ物の収穫を体験したり、季節や地域の料理を味わったりするなど、食育を通じた実践の環を広げましょう。
政府広報オンラインHP https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201605/3.html
乳幼児期には“食べる意欲の基礎をつくり、食の体験を広げる”ことが大切なので、難しく捉えすぎずに取り組めると良いですね。
0歳児の赤ちゃんから始められる4つの食育


離乳食が始まると赤ちゃんは食事に興味をもつようになります。「うちの子は全然離乳食を食べてくれない……」と悩んだり、すでにお手上げ状態のママ・パパもいるかもしれませんが、それでも大丈夫です。離乳食を「完食させる」ことだけが食育ではありません。ごはんを食べさせることだけにこだわらずに、これからご紹介するさまざまな方法を取り入れながら食育に取り組んでみてはいかがでしょうか。
1 食べ物が出てくる絵本を読む
いろいろな食材や食べ物が出てくる絵本は赤ちゃんにもわかりやすくて楽しめます。ママやパパも絵本だと取り組みやすいのではないでしょうか。
おべんとうバス(作・絵 真珠まりこ)
バスのなかにハンバーグくんやエビフライちゃん、たまごやきさんなどおべんとうの具材に見立てたキャラクターが乗り込んでいくお話で、赤ちゃんでも楽しめる一冊。まだハンバーグやエビフライは食べられませんが、将来ピクニックに行くときはこんなお弁当を持っていこうね!◯◯くん・◯◯ちゃんは何が食べたいかな?何が好きかな?と話しかけながら読んであげたいですね。
せんべせんべやけた(案 こばやしえみこ・絵 ましませつこ)
「せんべせんべやけた」というわらべうたが元になっている絵本です。女の子が、お人形や飼っている猫、お母さんに、おせんべいやおにぎり、魚などを焼いてあげるお話。最後はみんなで並んで食べている様子が可愛いらしいです。
すいかくんがね…(作・絵 とよたかずひこ)
夏の暑い日、すいか割りをする子どもを待ち構えるすいかくん。見事に避けて余裕なすいかくんですが、ある時「ボゴッ」と叩かれてしまいます。しかし「しんぱいごむよう!」「おいしいすいか みんなでめしあがれ」で、おしまい。
この「おいしいともだちシリーズ」は、すいか以外にもおにぎりくんやたまごさん、なっとうさん、いちごさんなどいろいろな作品がありますので、シリーズで集めて読んでみても面白いかもしれません。
しろくまちゃんのほっとけーき (作 わかやまけん)
読み聞かせている大人もホットケーキが食べたくなる一冊。ホットケーキをつくる工程が描かれているので、実際にホットケーキをつくっているような気分になりますし、お料理のお手伝いができる年齢になったときに、この絵本を見ながらホットケーキをつくると楽しいかもしれません。
2 食べ物が出てくるお歌をうたう
食べ物が出てくるお歌をうたってあげてもよいですね。
おべんとうばこのうた(作詞:香山美子、作曲:小森昭宏)
昔から歌われている「おべんとうばこのうた」。にんじん、さくらんぼ、しいたけ、ごぼうなどリズミカルに歌えて、手遊びもできるので、お子さんと楽しく歌えます。
トマト(作詞:荘司武、作曲:大中恩)
“上から読んでもトマト、下から読んでもトマト”という歌詞は言葉あそびのようでもあります。小さい頃は青い服、大きくなったら赤い服という歌詞も、子どもに野菜の成長を教えるいい機会となりそうです。
くいしんぼゴリラのうた( 作詞:阿部直美、作曲おざわたつゆき)
リズミカルな曲調で、ゴリラのうたというのも子どもが喜びます。バナナを美味しく食べたり、レモンは酸っぱかったり、玉ねぎは皮をむくとなくなったり、野菜や果物の味や性質がわかる曲になっています。
キャベツのなかから(作詞・作曲:不詳)
“キャベツのなかから青虫でたよ”という歌詞が可愛らしくて子どもが楽しめる曲です。土のなかで野菜が成長していくことを教えられたり、子どもと一緒に手遊びができたり楽しい一曲です。
ドロップスのうた(作詞:まど・みちお、作曲:大中恩)
「ドロップス」なのでごはんではありませんが、とても可愛らしい歌詞で私のお気に入りの一曲です。とてもリズミカルで可愛い曲です。
きのこ(作詞:まど・みちお、作曲:くらかけ 昭二)
お子さんとリズムに乗りながら歌える一曲です。「き・き・きのこ」という歌詞だけでテンションが上がって元気になれます。手をたたいたり、踊ったりしながら歌える楽しい一曲です。
ぼくのミックスジュース(作詞:五味太郎、作曲:渋谷毅)
30代の私でも子どもの頃によく聴いた曲のひとつです。わくわくするような曲調で、朝・昼・夜のシーンごとに、「みんなミキサーにぶちこんで」ミックスジュースを飲むのですが、嫌なことがあってもスカッと忘れられるような気がします。
3 本物の野菜に触れる


旬の野菜やくだものを用意して赤ちゃんに触らせて楽しみます。アレルギーの心配があるので、これまで離乳食で食べたことのある食材を用意してくださいね。「これはオレンジだよ~。いい香りがするね~」などと赤ちゃんに語りかけながら野菜やフルーツに触れてみましょう。誤飲の心配がある食材にはくれぐれも気を付けてくださいね。
4 食材の感触を楽しむ
触れることに慣れてきたら次は感触を楽しんでみましょう。野菜をつぶしてみたり、きのこをほぐしてみたり、レタスなどの葉物野菜をちぎってみたり……。さまざまな感触の野菜やくだものに触れることで、食事の楽しさや大切さを育むきっかけになればよいですね。
まとめ
これまで0歳の赤ちゃんが自宅で始められる食育を4つご紹介してきました。
- 食べ物が出てくる絵本を読む
- 食べ物が出てくるお歌をうたう
- 本物の野菜に触れる
- 食材の感触を楽しむ
「食育」と言われると難しいことをイメージしてしまうかもしれませんが、お家でも簡単に取り組めることがたくさんありますので、できることから試してみてはいかがでしょうか?